最終更新日:2011年12月8日
東日本の大震災について
2011年3月11日14時46分(日本時間)にモーメントマグニチュード9.0という日本における観測史上
最大の東北地方太平洋沖地震が発生しました。超巨大な地震とそれに伴う強力な津波により、多くの
方々が、亡くなられ、また被災されました。犠牲になられた方々、ご遺族の皆様に対し、謹んで
お悔やみを申し上げます。命は助かっても家を失い過酷な避難生活を強いられている皆様に、
できるだけ早く生活再建するための援助が届き、被災地の復旧と復興が実現することを、
心より願っております。
このように巨大な地震の発生が予測できず、地震に対する防災対策が十分にはなされてこなかった
ことに対し、地震学の研究者として、責任を痛感しております。これまでの地震学および関連する地球科学や耐震工学に基づく地震防災の研究の在り方に問題があったことを認識し、今後の研究に生かしていくことが重要と考えます。
今回の地震の被害を拡大しているのは、原発災害が重なったことにあります。この問題について、内閣府の原子力
安全委員会の下にある耐震関係の委員会の専門委員をしている私は責任を負うべき立場にあると考えています。
しかしながら、今回の福島第一原発の重大事故は、決して地震の規模や津波が想定以上に大きかったことが主たる
原因ではないと考えます。
2006年9月に改訂された「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」には、「想定された地震動を上回る強さの地震動が生起される可能性は否定できない」、その場合でも、「残余のリスク(想定以上の外力に対しても施設の
重大な損傷、施設からの放射線物質の放散、結果として周辺公衆が放射線被ばくするリスク)を合理的に実行可能な
限り小さくするための努力がはらわれるべき」と明記されています。これは、地震に伴って生成される津波などの
随伴事象に対しても当然適用されるものです。原子力発電所の設計の基本方針として、想定されていない事象が発生
しても原子力発電所の安全性は保たれるように設計するという「多重防護」の考えがあります。「多重防護」は原子力発電所の設計思想そのものです。福島第一原発が「施設からの放射線物質の放散」という重大事故に至った主たる
原因は、原子力発電所の「多重防護」の考えが守られていなかったことにある、と考えます。
講演・セミナー予定
2011年12月8日
"Source Model for Generating Strong ground Motions during the 2011off
the Pacific coast of Tohoku Earthquake", Kojiro Irikura and Susumu
Kurahashi, AGU Fall Meeting 2011, San Francisco, California, USA,
5-9 December
トピックス、
2011年8月16日
2011年東北地方太平洋沖地震の強震動生成のための震源モデル再修正版(PDF4611KB)を掲載しました。
2011年4月13日、The Seismological Society of America(SSA) annual meetingでThe Bruce Bolt Medalを
受賞しました。(受賞speech)
4月1日(金)TBSテレビのNEWS23で放映された私のインタビューについて
2010年12月6日-12月7日開催の東京大学地震研究所研究集会「揺れる直前の地震動予測」、東京大学地震研究所、「直下地震および巨大地震に対応した緊急地震速報の高度化」要旨、発表PPTを掲載しました。
2010年11月24日-11月26日開催の第1回柏崎国際原子力耐震安全シンポジウム、基調講演
"Further Advancement of Strong Motion Evaluation -Expectation for
deep boreholes seismic observation and geophysical exploration from viewpoint
of ground motion evaluation-"発表PPTを掲載しました。
2010年11月18日-20日開催の 第13回日本地震工学シンポジウム、「長大な活断層に発生する地震に対する強震動予測のためのレシピの高度化」発表PPTを掲載しました。
2010年2月4日開催の第9回国土セイフティネットシンポジウム〜震度の一歩先を目指して〜「直下地震や巨大地震の減災に役立つ緊急時地震速報システムの構築をめざして」発表PPTを掲載しました。
2009年10月21日〜23日開催の2009年度日本地震学会秋季大会予稿と発表PPTを掲載しました。
2009年11月7日に開催された日本活断層学会の「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震2周年シンポジュウム」の発表PPTと予稿集の講演要旨を掲載しました。
2009年5月11日
5月7日に掲載しました下記PPT資料は間違ったものを掲載していましたので、訂正しました。
2009年4月21日開催された「金井清先生追悼シンポジウム」−地震動研究の“これまでとこれから”−での発表資料「地震動予測研究の到達点と次世代型への脱皮」PPTを研究成果に掲載しました。
2008年11月7日に東京大学山上会館で開催された日本活断層学会2008年度秋季学術大会 シンポジウム「活断層からの地震発生予測の諸問題〜岩手・宮城内陸地震を例として〜」で発表した「2008年岩手・宮城内陸地震の震源モデルと強震動 ーなぜ4000ガルの強震動
が生成されたのか?−」のPPTを掲載しました。(PDF2956KB)
講演予稿集をまとめた後、さらに検討を加えた内容となっている。この地震の強震動を説明するための震源断層モデルは本資料が最新のものとなっている。震源極近傍の観測点(一関西)で4000ガルの強震動の生成の原因となったP波速度構造モデルについても、本資料で最新の結果がまとめられている。
2008年9月2日
平成20年度防災功労者内閣総理大臣表彰受賞(PDF35KB)
2008年7月2日
平成20年度安全功労者内閣総理大臣表彰受賞
2008年3月19日
2007年12月に掲載しました 「2007年新潟県中越沖地震の強震動 ーなぜ柏崎刈羽原子力発電所は想定以上の破壊的強震動に襲われたのか?ー」ファイルを一部修正してメッセージに再掲載しました。
2008年3月5日
平成19年度京大防災研究所研究発表講演会「2007年中越沖地震の震源破壊過程と強震動」ポスター(PDF1597KB)を研究成果に掲載しました。
日本地震工学会会誌(Bulletin of JAEE No.7 January 2008)に寄稿した原稿「新潟県中越沖地震から学ぶ原子力発電所の耐震安全性の課題ー基準地震動評価のために考慮すべきことー」(PDF4028KB)を研究成果に掲載しました。
2007年12月24日
2007年新潟県中越沖地震の強震動 ーなぜ柏崎刈羽原子力発電所は想定以上の破壊的強震動に襲われたのか?ー
再修正版をメッセージに掲載しました。
我々は、9月4日に掲載した「2007年新潟県中越沖地震の強震動と震源断層モデ ルー柏崎刈羽原子力発電所を襲った破壊的強震動ー」において、中越沖地震の
震源断層が北西傾斜と仮定すると、破壊が海側から陸側に進行するため、柏崎 刈羽の地震動は破壊進行方向に生じるデレクティビティ効果により顕著に大き
くなった可能性を指摘した。しかしながら、その後海底地震計の記録を用いて 高精度の余震分布の検討が行われ、この地震の震源断層は南東傾斜の可能性が
高いことが明らかになってきた。
そこで、我々は震源断層が南東傾斜を前提として、新潟県中越沖地震の震源モ デルと強震動の関係について再検討を行った。その結果、柏崎刈羽原発で想定
以上に大きな強震動に襲われた原因は、@柏崎刈羽の沖合に強い地震動を生成 するアスペリティ(Asp3)があり、A柏崎刈羽はそのアスペリティから発せら
れるS波の放射特性が最大となる方向にあたること、Bそのアスペリティから発 せられた地震波が伝播経路でのフォーカッシングと厚い堆積層により大きく増
幅され、柏崎刈羽で強いパルス波が生成されたこと、にあることが明らかになった。(12月28日一部再修正)
2007年10月31日
経済産業省「平成19年度原子力安全功労者表彰」受賞
2007年9月28日
第173回文部科学省地震調査委員会(2007年9月10日開催)での発表資料をメッセージに掲載しました。
2007年9月19日
K. Irikura, T. Kagawa, K. Miyakoshi and S. Kurahashi, Ruputre process and
strong ground motions of the 2007 Niigataken Cyuetsu-Oki earthquake -Directivity
pulses striking the Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Plant-, The 2007 SCEC
Annual Meeting, Palm Springs, CA を研究成果に掲載しました。
2007年9月4日
2007年新潟県中越沖地震の強震動と震源断層モデル
−柏崎刈羽原子力発電所を襲った破壊的強震動― 修正版をメッセージに掲載しました。
2007年1月29日
日本地震工学会の会誌第5号(2007年1月)の発電用原子炉の耐震設計審査指針の改訂に関する特集で、「基準地震動」についての解説の執筆依頼を受け、「原子力発電所の耐震設計のための基準地震動」と題する解説文を寄稿しましたので、原稿を研究成果とメッセージに掲載しました。
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